世界一周の前日のお話です。
出発前のトークイベントを全国4都市で開催し、
そのあとは退居の準備で 前日までとても忙しく、
明日から旅立つ実感なんて、まったく沸いてなかった。
バタバタと荷物を発送し、退居のとき。
空っぽになった関内のマンションの玄関のドアを
最後に締めた瞬間、一気に、涙が溢れだした。
その場に訪ねてきていた友人も驚いていたが、
私自身もこんなに泣くと思ってなくてパニックだった。
本当は行きたくないのか?
怖くなったのか?
そういうわけではなかった。
この3年間、ずっと放浪してきて、住む場所もなかった私。
それが、自分の力では到底住めないと思っていた、
家賃20万の憧れの横浜のマンションに、半年間住むことが出来た。
数年前は想像もつかなかったような、豊かさも手に入れていた。
この横浜の地が、あまりに好きすぎて、毎日が幸せだった。
毎日毎日、自分の与えられた境遇に、感謝をしていた。
なのに・・・
それをまた、自ら手放してしまう切なさ。
頂いた有難いご縁を 突き放してしまう悲しさ。
「もう、ここにまた戻ることは出来ない」という確信。
そんな感傷に浸る余裕すらなく、出発のカウントダウンが始まる。
友人が、出発前に素敵なお守りを渡してくれた。
私の大事にしている「いまここ」という言葉。
友人と関内の南極料理人「Mirai」さんで軽く一杯飲んだ。
そのあと、お世話になった方と「駒」で最後の晩餐を頂いた。
すでに、日本に家がなくなった私は、その夜は元町中華街の宿に泊まった。
もうすでにバックパッカー旅は始まっている。
相変わらず、私は泣いていた。
こんな状態で、出発できるのだろうか・・・。
【翌朝】
とうとう、旅立ちの日が来た。
ここを通過したら、とうとう、世界一周が始まる。
16時間のフライトを経て、
まず目指すのは メキシコシティ。
感受性のネジが 一気に緩んだのか、
いつでも すぐに涙が出そうな状態だ。
自分自身、この涙の意味が解らず、
予想外すぎて 動揺していたけれど、
決して 負の感情ではないみたい。
むしろ 心が浄められているような感覚。
私は、この旅立ちを通して、
いつも 当たり前のようにあった
色んな愛に 改めて気付くことが出来た。
自分の中に あった愛、
大事な人達の中に あった愛、
日本の中に あった愛。
それは、寂しさや切なさの中に、
温かさが 溶け込んでいく感覚だった。
この際立った コントラストが、
胸に染みて いつまでも泣けてくる。
飛行機の中でも何度も泣いてしまった。
このときは、熊本震災が起きた直後だった。
九州・熊本にいるみなさん、
旅立つこの足を 止めることも出来ず、
大した支援も 出来てないままで
本当に、本当に ごめんなさい。
どうか 無事でいてください。
私は 応援してくださる方の想いを受け、
自分のやれることに 真剣に取り組みます。
世界一周旅行記①メキシコ編へ続く!
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