サンティアゴの空港に着いた。
到着時間は 深夜を回っていたので、
そのまま空港泊をして、翌朝ゲストハウスに向かうことにした。
前回のペルーでの盗難事件での失敗を繰り返さないよう、
空港で仮眠をとる時は、厳重注意を払った。
私が思いついたのは 携帯電話、ポシェット、スーツケース、リュックサックなど
全ての荷物を一本のチェーンで つなぎ、 それを手につけておく作戦だ。
名付けて「犬のさんぽ」。笑
チェーンは、そんなに頑丈ではなく、
引っ張るとちぎれてしまうので、怪我をするようなこともない。
それでも、チェーンがあるだけで、警戒しているということや、
荷物が盗めないということを 周りにアピールすることができる。
この方法が効いたのか、 この後は、
荷物を狙われるようなことは起きなかった。
早朝のチリは、今までのメキシコやペルーと比べると、驚くほど冷え込んでいた。
向かったのは、日本人宿の「La Frontera」。
ありがたいことに早めにチェックインをさせていただいた。
ここを拠点に数日間の旅が始まる。
早速メインストリートを歩いてみると、そのあまりの静けさに驚いた。
実は、私がチリに着いた5月1日は、メーデーという祝日で、お店がほぼ閉まっていた。
残念に 思っていると、宿のオーナーさんが 夜の交流会に誘ってくれた。
交流会では、日本のことが大好きなチリ人が、
たくさん日本語で話しかけてきてくれて、楽しい時間を過ごすことができた。
日本の裏側に位置する遠い国で、
こんなに親日に思ってくれる人がいることが嬉しかった。
翌日からは、本格的な料理探索を始めた。
メインは、やっぱりサンティアゴの台所である中央市場とよばれる魚市場だ。
ここでは、ウニやサーモンなどのシーフードが沢山見られた。
しかしそれ以上に、
この周辺には、たくさんの市場が存在し、多くの見所があった。
野菜市場では、 茄子にしか見えない外観のアボカドがあったり、
飲食店街ではかなり安い金額でご当地グルメを効率よく制覇できたり、
見たことのない果物を知ることができた。
ただ、残念ながら、
感動するほど美味しい料理は、見つけることができずにいた。
さぁ、この国では何の料理を学ぼうか?と考えた時に、
一番作りたかったのは、チリの家庭料理で「カスエラ」というポトフのような煮込み料理 だった。
そこでゲストハウスのオーナーさんに事情を話すと、
快く教えていただけることになった。
カスエラは、 にんじんやじゃがいも、
鶏肉などの材料を大きく切り、 煮込んだシンプルな料理だ。
味のアクセントにはクミンとオレガノを使用する。
オレガノはチリ料理を象徴するスパイスの一つだ。
出来た料理を一口いただくと、
まるで実家のお味噌汁を飲んだ時のような、
心がホッと温まるような 美味しさで全身に染み渡っていった。
いろんな料理を食べてみたけれど、
このカスエラがチリで一番 感動した料理だった。
チリは、治安も良く親日で、
緊張感で張り詰めていた気持ちが少し安らぐような、
南米のオアシスのような国だった。
次はアルゼンチン。
「南米のパリ」と呼ばれる国の食文化には、
いったい、どういうものがあるのだろうか?
続く
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